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刃筋が立っているてどういう意味?
本日は、一本と取るために知っておくべき「刃筋」についてお話します。「刃筋が立っている」「刃筋が立っていない」という言い方をすることが多いのですが、一本を取るためには本当に大切な要素です。かつ、なかなか難しい。
剣道の一本の基準は、ブログ主もしょっちゅう「???」となります。それでも、その一本で試合が動き、勝ちが決まるのだから、「難しい」「わからない」で済ませるわけにはいきません。大切な場面では、一本で笑い一本で泣くのだから、どのような打ちが一本になるのか深く追求しておいて試合に挑みたいものです。

Contents
刃筋とは「竹刀を刀に見立てて切れる側」のこと
刀の峰は、竹刀の弦が貼ってある部分
全日本剣道連盟の審判規則によると、剣道の一本・つまり有効打突とは、「充実した気勢・適正な姿勢・残心が必要」とあります。さらに、
・正しい姿勢で
・竹刀の中結から上の部分で、
・刃筋をきちんと立てて、つまり竹刀の「刃」側とされる側で、お相手をちゃんと斬るように
打ったら、有効打突、一本になる。
もし竹刀が刀だったら、ちゃんと刃のある側でお相手が斬れたかどうか、を「刃筋」で判断するということです。竹刀では、弦の部分が「峰」であり、反対側が「刃」です。
このブログを見てくださっているかたはこの辺りはしっかりご存知と思いますので、次に進みます。

刃筋が決め手になるのは、「コテ」や「ドウ全般」
考えたら当たり前のことで、竹刀が刀だとすると、きちんと斬れる側で打って初めて、お相手に打撃を与えられるという理屈から、「刃を立てなさい」ということです。
斬れる側に刃を向けるとリンゴは切れるけど、切れない側ではいくらやっても切れません。
ただ、この「刃筋を立てる」シーンというのは、普通、メンの正面打ちではまっすぐ振り下ろしているので刃筋が寝てしまうことはまずありません。
問題は、コテやドウなど。特にドウのような竹刀を横に動かす動きは、「刀で斬る」感覚で打たないと刃筋が寝てしまいます。
普段から、「竹刀を刀である」と仮定して稽古して、一本一本を、「ものを切るつもりで打っているかどうか」で変わってきます。特にドウは、刃筋を相手に垂直に向けて打つことを意識すること。そのために手首を返す必要があります。
刃筋を意識する稽古法
木刀を振ることの効用
木刀は、竹刀よりさらに刀に近く、刃の部分を薄く、峰の部分を厚く作ってあります。さらに、高段者の方は、居合用の模造刀を用意し、それを振って「刀を振る」意識付をされることもあるらしい。
小学生が居合用の模造刀を用意するのは難しいので、やはり木刀で、一日30本でも素振りをしてみると、「刀を扱う」感覚が身に着きやすいです。タイヤなどの打ち込み台がある場合、木刀で打ち込みをするのも、「刃筋を立てる感覚」を身に着けるのに役立ちます。
小判型の竹刀を使う
柄の部分が小判型になっている竹刀が市販されています。小判型竹刀を使うと、刀を握る感覚がつかみやすく、打突のさい刃筋が立ちやすくなります。これをどのような向きで振れば切れるか、と意識しやすくなるため、特に初心者は小判型竹刀を使うことは本当におススメです。竹刀の握り方も正しくなり、打突に冴えも生まれます。
剣道の試合で強い子は、刃筋が違う!
剣道の公式戦で、一般的な水準よりかなり上にある強さを持つ子の特徴の一つは、「刃筋」が違うことです。言葉で表現すると、
スパーン
というような、いかにも物が切れた感じの音がします。ドウ打ちなどはとくにその特徴が顕著であり、打つ、というより、「斬る」感じの打突ができてます。特徴の一つとして、刃筋が立っていると同時に、刃先がかなりお相手のドウに残っていて、刃が徐々にお相手のドウを伝って離れていく感じです。
んーあれが真剣だったら、たぶん真っ二つ!
的な感じを受けます。一方で、初心者などの打突は、
ドンッ!バン!ガン!
といったような、鈍い濁音な感じです。しかも力が入っているので打たれるとかなりイタイ(>_<)
上手な子の打突は痛みをさほど感じないし、いかにも「あっ!今真っ二つにされた」的に感じます。
このような打突の秘訣は、やはり「刃筋」と、斬る感覚、竹刀の握り方が正しいこと、手首が柔らかく使えていることによるものです。これらを身に着けるのは、木刀による素振り、日本剣道形の稽古、普段から刃筋を意識する稽古に励むしかありません。
▼では一拍子の打突とは何?
最近のトレンド「逆ドウ」
逆ドウこそ刀を引いて斬る感覚が必要
これを「トレンド」と称していいのかどうかわかりませんが、最近の少年剣道では「逆ドウ」がよく一本になる印象です。噂によると、少年剣士の「三所隠し」に対抗する技として、積極的に有効打突として認めるようになったらしいです。
「三所隠し」は防御に便利なのですが、中学生になると反則になりますし、高校生になると、「ツキ技」が加わってきます。そうなると、三所隠しに頼る防御は無効になるので、できるだけ早めに多用しないように指導することが必要です。そのために「逆ドウ」を有効打突にする、という背景らしい。
確かに、三年前までぐらいは、年に一度か二度決まるのを見る程度だった逆ドウでしたが、最近は試合に行くたびに、何回か逆ドウが決まるのを見かけるようになりました。
そして、その逆ドウこそ、「刃筋が正しく、ドウを長く切り下げる感覚」で打つと、決まりやすいように感じます。一本になる逆ドウが打てたら、技のレパートリーが豊富になりますので、ぜひ身に着けて、刃筋正しい逆ドウでお相手の三所隠しに対抗してください。
皆様に少しでも有益な情報や楽しんでもらえる記事を、(ほぼ)毎日更新しています。
