生涯手元に置いておきたい剣道本はこれです~読むと剣道の質が変わる本


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読むだけで剣道の質が変わる剣道本

剣道の書籍ランキングはネットでもさまざまに紹介されています。

それぞれに良さがあり、学ぶところがたくさんありますが、本日は、その中でも特に。

・初心者から高段者までいろんな問いの答えがある

・読むたびに新しい発見がある

・「図書館で借りるんではなく、乱読するのでもなく、手元に置いて何度でも熟読したい」

と思えるその書籍を紹介したいと思います。その書籍とは・・・

こちらです。剣道日本より出版されています。本日はこの書籍の見どころを紹介します

著者の紹介~紹介文より

吉村兼一

フランス剣道連盟顧問。東京大学三年生時、全剣連学生指導員として渡仏し、以後フランスに定住。平成14年11月八段取得。~以下略~

書籍「剣道再発見」は「どんな答えでもそこにある」

まずこの書籍の最初の部分にこの一文があります。

「お相手の心を打たなければ打ったことにならない」

著者は師匠にそう言われたそうです。

全日本剣道連盟のルールはもちろんですが、一本の定義について、これほど真に穿った言葉というのはなかなか無いでしょう。

当てただけではダメ、お相手を動かせていなければ一本にならない、機を捉えた打ち、合気になっているかどうか、一本の定義はいろいろありますが、この

お相手の心を打つ

という言葉に、すべての要素が含まれています。

・あっやられた、という敗北感

・参りました!というすがすがしさ

・打たれた側を感動させ、審判をも感動させる打突

まず、初心者や低学年保護者にとって、今のバチーンと当たっているのになんで一本にならないの?」という疑問にもっとも端的に答えてくれるのが、この一文ではないでしょうか?

初心者だけでなく、七段、八段を目指す剣道家の方々も、最終的に目指す剣道はこの「お相手の心を打つ剣道」だと思います

このように、この書籍は、初心者が見ても高段者が見てもそれぞれに得るところがあり、答がある、というところです

書籍全体に上記のような宝石のような名言が随所にちりばめられており、たとえば自分が剣道家でなくても、書籍を通じて剣道家の奥深い部分に触れることができます。

ポイント▼「お相手の心を打つ」という、剣道で最も大切にしなければならない部分などを、初心者や高段者にとってもわかりやすく書かれている

何度読んでも新しい発見がある

剣道は基本が大切、ということは初心者のころから指導者に叩き込まれているはずですが、試合をするとどうしても「打たれたくない」「勝ちたい、勝たせたい」という気持ちになってしまいます。

構えの大切さ、基本の大切さ、足さばきの大切さなど、初心者のころから何度も教えられ、実践してきたはずなのに、「試合に勝ちたい、勝たせたい」と思う気持ちからすぐ手元を上げて防いだりしてしまったりしまいます。

本書の中の一例をあげると、例えば、「打たれることを嫌がらず中心を鍛える」ことを説き、「打たれるということは、自分の構えが物理的または心理的(居着いているなど)に崩れているから打たれるのであり、お相手は自分の弱いところを指摘してくれている」と述べています。

打たれることを嫌がらず中心を鍛える

著者は「打たれることを嫌がらず中心を鍛える」ことの重要性を説いています。

上手な人には打たれるのは当たり前と肝に銘じる←試合に夢中になるあまり、これを忘れて手元を上げることが多い

・どっちみち打たれるのだから、構えを崩さないまま相手をよく見る訓練をする

・よく見ていると、自分の中心が鍛えられ、相手の技の「起こり」が見えてくる

・技の起こりを感じられるようになると、そこで思い切って打って出る

・コチラが構えを崩さないままでいるとお相手が、横から入ろうとしたりフェイントをかけてきたりする場合もあるので、そのまままっすぐ打ち込む。

格上相手には最初のうちは打たれる一方かも知れませんが、これを繰り返すことにより打ち負けない強さや中心を取ることの大切さが体得できるようになる、

と説いています。どうでしょうか?打たれても良いので構えを崩すな、というのは、少年剣士にはなかなか指導しにくいのが現実だと思います。

かといって、これを徹底的に指導せずに試合に挑ませると、打たれたら防ぎ、防いだついでに打つという繰り返しになり、進歩がありません。

「中心を取る」意味も、「技の起こり」も、「機会に打って出る」も、充実した構えを持って、まず手元を上げない、構えたままお相手をよく見る、という姿勢を持って初めて体得できるものです。

▼「一拍子の打突」についてもこの書籍に詳しいです。

剣道は「一拍子の打突」で勝つ

基本を応用すること

指導者のかたがたにとって、常日頃から、基本の大切さを教えていらっしゃると思います。

著者は、基本と応用を分けて考えるのではなく、基本があるからこそ応用があることを具体的な例によって説いています。上記の「構えを崩さない」を例に挙げると、

・上手な子に打たれるのは当たり前だから、打たれると思っても構えを崩さずまずは相手をよく見なさい

・見えるようになったら技の起こりを感じなさい

・技の起こりがわかったら思い切って前に出なさい

といったような基本を土台にした段階を追った指導をしているかどうかを考えるきっかけになります。

少年剣士側にとっても

・構えや中心を取ることの大切さ

・なぜ手元を上げて防いでははいけないのか

・技の起こりを掴むにはどうしたらいいか

など、口で言ってはなかなか理解できないことを、たった一つ「打たれてもいいのでそこで相手をよく見ること」という動作を強制する(こどもは負けたくないからついつい手元を上げるでしょうが、ここは強制しなければならない部分です)ことによって基本を応用することで強くなっていかれることを理解することができます。

書籍を読む人の立場が指導者であっても、初心者であっても「相手の心を打つ一本」を打つための目印が至る所にあり、何度読んでも新しい発見があります。

ポイント▼強くなるためのヒントを「段階的につかむこと」の重要性、そのために大切なことが「構え」であることなど、基本を大事にすることを抽象的でなく具体的に記してある。

▼「構え」の大切さもこの書籍から学びました。

https://rainbow9.work/2019/05/31/1141-6/

特別な才能を持っていなくても

この書籍にはさまざまなヒントがあるのですが、管理人が感じ、だからこそみなさんにおススメしたいのがこの点です。

おそらく、

人が驚くような特別な才能を持っているわけではなく、常日頃から真摯に剣道に向かい、常に剣道のあるべき姿を追求した結果、八段という最高位に昇り詰めた

という印象があることです。

世の中には何十年に1人とかの割合で、「天才」が現れます。プロ野球でも剣道でも、登場したときからびっくりするような成績を残したり、生まれ持ったスター性で時代を牽引していきます。

天才のかたがたはいろいろな著書をされ、もちろん管理人も努力してその思想についていこうと著書を読むのですが、ときどき「天才だからと言って、自分の才能や秘訣を言葉でわかりやすく表現できるとは限らないという印象を持つことがあります。

たとえば、ある大スターのプロ野球選手が後進の指導をしているのを見ると、

「ここはぐっと腰を使って」「ぎゅっと握って」「ふっと打つ」などと、擬音語が満載されていて教えられている選手は今一つ理解しきれない顔をしていたりします。

その点、この書籍は、「自分が考え抜いてたどり着いた境地を、的確に人に伝えられるよう言葉を工夫し、練り上げ、わかりやすく伝え」ようとし、またそれに成功しているように見えます。

剣道をしているこどもの99.9%は天才ではなく、ごく普通のこどもです。

そのごく普通のこどもを、才能に恵まれた超々少数派の天才たちに近づけるための道しるべ、としてほんとうに参考になる書籍だと思います

そして、そのような微妙なものを普通の人間にもわかりやすく伝えようとする語彙力や文章力は、著者が「東京大学」出身である、ということにも関係してくると感じています。

ポイント▼天才はなかなか真似ができないが、普通の人が「文章や言葉を通して天才に近づく」ことは可能です。この書籍は、天才が書いたものでは無く、著者が考えに考え抜いたことを、言葉や構成を吟味して伝えているので、凡人が参考するにはうってつけです。

 

まとめ

上記に上げたようなこと以外にも、「一拍子の打突は、金づちで釘を打つ動作と同じ」という指摘や、「気」と「呼吸」についての考察など、言葉にしにくい部分も凡人にもわかりやすく記されており、この一冊で「剣道とは何か」がかなり手触りとして感じられる本となっています。

管理人が毎日剣道ブログをアップしていて、このところはどういう表現をしたら伝わりやすいかな、と思うとき、常に紐解き、改めてこの書籍の奥深さを感じて深い尊敬の念を抱く点も、そこにあります。

この本は、図書館で借りて読むより、乱読して数をこなすよりも、購入して手元に置き、何度でも繰り返し読み、原点に戻るためにまた熟読する書籍になっています。

皆様もぜひ、ご自分にとって「座右の書」ともいえる書籍をお持ちになってはいかがでしょうか。

ポイント▼剣道本で、「何度でも繰り返して読みたい」と思える本のひとつが、この書籍です。

 
 
 
皆様に剣道について有益な情報と、少しでも楽しんでいただくために、(ほぼ)毎日更新しています。
 
 
※イラストは自作のものと、プリ画像GMOから引用しました。
 
 

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