剣道で打つべき機会ってどういうところ?「起こり」って何?
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強くなるために「知らなければならないこと」を理解する
少年剣道は稽古量と質がどうしても影響します。
つまり、早く剣道を始めたほうが有利ですし、強豪道場に属するなどしてスタートダッシュに成功した子は圧倒的に有利です。
一方で、ある一定の地点になると、壁が出現します。
その壁は、経験だけではぶち破れず、知識をつけて意識的に取り組むことでないと超えられない壁になってしまう場合もあります。
今回は、「知らないばならないこと」のうち、「打つべき機会」について記事にしていきます。
これを知れば試合でもかなり有利になれますし、一段階上の剣道に足を踏み入れることができますので是非試してみてください。
打つべき機会~「起こり」
剣道の打突の機会は、
①出がしら
②居つき
③技の尽きたところ
と言われています。
打つべき機会での一種である「起こり」というのは、①の「出がしら」を打つ瞬間のことです。
この瞬間は実は一番一本が決まりやすい重要なポイントです。
出がしらを狙うには、「技の起こり」を感じられなければならず、それを感じたら即座に前に出て打つとキレイに決まります。
これができるようになると試合での有利さははかり知れません。
▼こちらの記事は「踏み込み」についてです。
技の「起こり」を見抜く
一般的に、初級者ほど技の起こりが見抜きやすく、高段者になればなるほど技の起こりを隠して打突の気配を悟らせないようにします。
技の起こりは具体的には、
①継ぎ足をしてくる
②打つ瞬間大きく口を開けて気声を発してくる
③剣先がふあーっと上がってくる
④打とうとする個所をガン見する
⑤リズムを取ってくる
など、お相手によって起こりの特徴が違ってきます。
その中で、最も確実なのは、オカルトのように聞こえるかも知れませんが、
空気を切り裂くような、真空になる瞬間
が、今まさに技が繰り出されようとしいてる「起こり」の瞬間です。
剣道では、この瞬間の「気」を察することができる人のことを「勝負勘がある」などと言ったりします。
ただし、この「気配」といったものは、かなりの経験と、生まれついて勝負勘のある人にしか感じられないこともあるかも知れません
小学生はまず、上記番号を振ってあるようなわかりやすい兆候をじっくりと観察する経験を積む必要があります。
▼「一拍子の打突」についての解説はコチラ
察知されない工夫が必要
技の起こりを察知することで、「出頭」を捉えやすくなるということは述べました。
逆に考えて、自分が打突を繰り出すときも、この「技の起こり」を察知させない工夫をする必要があります。
今から打ちますよ~と相手に知らせることは極力避ける、ということです。
〇継ぎ足をやめる~指導者から、「一足一刀の間合いから一気に飛び込め」と日常から指導を受けていると思います。
しかし、実は、稽古の切り返しの時点から継ぎ足をしてメンを打ちこんでいるこどもも普通に見かけます。
継ぎ足は、癖としてはかなり頑固なもので、意識しないと自然には絶対に治りません。
少し勝負勘のあるこどもになると、この継ぎ足を見抜いてすぐ出がしらに合わせられますので、注意が必要です。
〇打つ瞬間大きく口を開けて声を出す。~これは結構見逃されがちなのですが、見る子は見ています。
あるこどもがこれを指摘して、管理人は「なるほどなあ~打つとき声出すのには口を開けんならんもんな」と感心した覚えがあります。
この気配を悟らせないために、間合いを詰めたときから大きな声を出してお相手に悟らせないようにする、短く鋭い声を瞬間的に出す、など、こちらはちょっとした工夫ですぐ直せるでしょう。
〇剣先が上がる~これはすごくわかりやすい「起こり」です。
打ちに行くとき、知らず知らずのうちに剣先がふわあっと上がってくるのです。
小学生はほとんどこのタイプです。
「ともかく打つ直前まで構えを崩さない」ことを徹底するしかありません。
〇打とうとする場所をガン見する~これは特にコテ打ちなどでよく見受けられます。
コテを打つ前にお相手のコテをガン見すると、あーコテを打ってくるな、とすぐ見破られてしまいます。
これは比較的簡単に直ります。
打とうとする場所を見ないように意識することは、動作を直すよりも簡単ですので、敢えて違う場所を見るようにしましょう。
※剣道には「遠山の目付」が推奨されます。遠くの山を見るような視線で全体を見ることが、起こりを捉えられない、気配を感じさせない視線です。
〇リズムを取って打ってくる~これはたいてい、継ぎ足とセットになっているものです。
この「継ぎ足」「リズムを取って打つ」は基本、「一拍子の打突」ができていないためにそうなってしまいます。
まとめ
以上、技の起こりについて理解していただけたでしょうか?
大人の剣道家のかた、指導者のかたはとてもよく理解していることでも、小学生は、言葉で教えられて「あーそういえばそうだな」ということがほとんどだと思います。
「起こりを知る」ことは、一瞬先の手を読むことに繋がり、出がしらの機会を捉えることに繋がります。
小学生には「まず言葉で知識として持たせる」→「そこで納得させたうえで、実践させる」過程が大切です。
大人が当たり前として持っている知識でも、言葉にして丁寧に説明してあげることで、戦績の大幅アップが見込めますので、ぜひ実践してください。

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