剣道の試合で「自分から打て」の意味とは
みなさんこんにちは!今回は「読むだけで強くなるシリーズ」第二弾です。読むだけで、というのは「保護者の方が読んで子供さんに伝えるだけで」という意味です。
このブログ、「読むだけで強くなる」シリーズも強化していくんですよね、ごまちゃん!
結局「理合い」って言葉で説明しないとわからないからね。感覚に頼っているだけで勝てるほど剣道は甘くない。
確かに、低学年までは反射神経が良い子が勝ってるけど、高学年になると違ってくる気がする。
「理合い」は、通常こどもは自分では理解できないし、応用しようと思いません。そこを大人が理解してこどもに伝えることで、大きなアドバンテージになります。
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Contents
「自分から打て」と言われるこどもたち
※管理人は指導者ではないので、指導者の方が読まれてそれは違うと思われましたら是非教えてください。
剣道を始めて二年ぐらい経って、こどもは「試合に勝ちたい!」指導者も「勝たせたい!」と思うようになるころ、よく聞かれる言葉として、
「試合では自分からどんどん打って行くんだよ!」
というフレーズがあります。
そして、めーっちゃ不思議なことに、試合で勝つのは結構「自分から打って行かないこども」だったりするのです。
低学年も四年生ぐらいになると、構えが崩れないこどもや、冷静なこども、お相手がよく見えているこどもが強くなるように見える時期があります。
自分から打っていくタイプのこどもよりも、じっくり待つタイプのこどもが勝ったりすると、いろいろ言われたりもします。
「待ち剣だからこのままでは勝てなくなるよ」
という種類の、あんまり褒めていない、どちらかというと否定的なニュアンスの言葉が聞かれたりもします
でも、実際には、明らかに「待ち剣」と言われてる○○君のほうが勝つよなあ、とこどもたちはうっすらと疑問を感じているかもしれません。
この「待ち剣」と、「勝てる」というのは実は、剣道において勝つための大事なコツが潜んでいます。
この辺りを掴むコツは、保護者のかたがどこまで理合いを理解しているかによります。指導者が伝えていることをこどもが理解するには、保護者の理解が不可欠です。
指導者のこどもさんが最初から強いのは、そういう部分がすんなりとこどもに伝わるからかも知れませんね。
確かに、親父(七段)やおふくろ(三段)の言葉は、言葉よりも感覚的な部分からダイレクトに伝わってきてました。
だからこそ、こどもが小学生、中学生のうちは、保護者の影響力が大きいのです。逆に言うと、保護者が理解することが多ければ多いほど、こどもが剣道で強くなっていく、ということです。
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「待ち剣」をするこどもはセンスを持っている
実は、この問題は、管理人は長いこといろいろ考える時期がありました。
そしてたどり着いた結論は、「自分から打て」という言葉がけは実は、文字通り「自分から打つ」ことを推奨しているのではなく、「主導権を握れ」という意味で指導者が言われているのではないか、という結論にたどり着きました。
実は、「待ち剣」で勝てるこどもは、素質的に良いものを持っているケースが多いのです。(待ち剣で負けるこどもはまた違う事例になります)
それは何かと言うと、
〇打つか打たれるかの真剣勝負の際、じっくりお相手を見ようとする意志と余裕がある
〇お相手の隙を見つけられる目がある
〇そもそも「待ち剣」によって炸裂する返し技は、器用さはもちろんのこと、お相手と息を合わせて打つという「合気」が必要であり、それができるのはかなり高度なこと。
と、これらは「センス」と呼んでも良いほどのことだと思います。
そんなこどもに対して、「自分から打て」をその言葉通り実践して突っ込んでいくと、あっさりと返し技を食らって敗退します。
「先生は自分から打って行けと言うけども、自分から行ったら負けるやん」とこどもはなんとなく釈然としない思いを持ってしまうでしょう。
指導者でも保護者でも、言葉かけはとても重要です。
「自分から打て」と言ってしまうと、機を見ずに突っ込んでいくこどもが出てきてしまいます。
「チャンスが来たら思い切って行け」「お相手が一歩下がったら踏み込んで前に出て」など、「主導権を握る」ために、できるだけ具体的なアドバイズをしたほうがいいかもしれません。
小学生は特に、試合では「構えてじっとしている」よりも、「自分からどんどん打って行く」ほうが、心理的に楽なんですよね。
確かに。お相手が格上だと、自分から打って行って動き回っているほうが楽に感じる。いつ打たれるかわからないのにじっとしているのは怖いです。
剣道始めて何年か経つと、打たれる怖さがわかってきますからね。打たれるの怖いから自分から打ってっちゃう、というのもあると思います。
そこをぐっと我慢して、構えを崩さないのは小学生にはなかなか難しいんでは。
この辺のことは、小学生には伝わらない気がするんです。もちろん、中学生や大人同士で指導者ならみんなわかっていることなんですが。
時間があるときに、こどもの保護者に伝えてみるといいかも知れません。熱心な保護者ならきっと、理解しようとしてくれると思います。
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「気のやり取り」が無いと自分から打っても入らない
これは、低学年には難しいかもしれませんが、ここを理解していないと、高学年に入って苦労することになります。
極端な言い方をすると、低学年のうちは「竹刀を打突部に良く当てる」こどもが勝ちやすいです。
反射神経が良く、隙を突くのがうまいこどもです。
「自分から打つ」ことができるこどもがほぼ勝てる時期もあります。
ただ高学年になると、「当てる」打突は、旗が上がりにくくなります。
そこに「お相手との『気』のやり取り」が発生しないからです。
『気』のやりとり、というと、なんだかオカルトチックに聞こえるかも知れませんが、要するに、試合している者同士がお互い相反する気持ちを持ち合う状態のことです。
今だ!⇔ヤバイ!
打つぞ!⇔打たれる!
行くぞ!⇔今は来ないで!
というようなやり取りが試合内で起きる時こそ、「一本の入る瞬間」であり、気の交流が活発になっているときです。
つまり、
やった!⇔やられた!
という気の交流が同時に発生する打ちが一本になるわけで、片方が、打ったと思っても、片方が全然動揺していない場合などは「合気」でもなく、「気の交流」も発生していないので、一本になりません。
そこで「今のはなんで一本にならないんだろう」と首を傾げることになってしまいます。
自分からどんどん打って行くこどもは、相手との『合気』を意識することが少ない場合があるので、「お相手をよく見て」とアドバイズするほうが勝ちやすくなります。
「合気」は剣道の永遠のテーマです。これがすんなり掴めるこどもは、まず間違いなく強くなれます。
体がデカくてパワーもスピードもある、なのに戦績がいまいち、というこどもはここが足りないんでしょう。
低学年のうちは勢いで押し切れるけど、高学年になると審判の要求が高くなる、とは感じたことあります。
指導者の先生方はみなさんこどもに強くなって欲しくて、試合で主導権を握ってほしいからこそ「自分から打て」と言われるんだと思います。そこにもう少し、言葉かけに工夫があれば、もっと戦績はアップします!
「自分から打つ」ではなく「自分で機会を作る」
こちらも、言葉がけの方法です。
剣道では「機を捉えた打突」が大切です。
審判をされている先生方には手に取るようにわかる一瞬の空気の動きですが、審判の先生が「今ここに打ってほしい!」と思う瞬間に打突が繰り出されると、当たってもいないうちから旗が上がったりもします。
まさに
「待ってました!」
という感じの打ち、このような打ちが「機を捉えた打ち」です。
この「機を捉えた打ち」は、正確には「自分から打っていく」こととは違います。
「打って行く機会を自分が作って打つ」打突のことです。
ものすごく強いこどもの試合を見ていると、竹刀のやり取りの一本一本が、最終的な一本に収斂されている、というような物語性を感じたりします。
コテを徹底的に攻めて、ふいにメンを打つ。
メンを打ったら次は小手、引き技、とバリエーションを変えて、ぽっかり真空を作ってそこにバッコーン!!とか、それはそれは見事なものです
ここまでくるともう才能の領域になってしまうのかもしれませんが、少なくとも、
ここをこう打ったら相手がこう出てくるだろうからこうしよう!というような「自分で機会を作る工夫」は、自分で意識しないことには始まりません。
自分で打って行くのではなく、自分で打つ場所を作り、打つ機会を作る、まずここに意識を向けるような言葉がけをしてあげてください。
剣道は見た目よりもずっと「やり取り」が勝敗を決める武道です。
ここは、ほんとにこどもには難しいけど、避けては通れませんよね。
特に、全国を目指しててっぺんを取るレベルになるには、絶対に押さえとかないといけません。
むずかしい・・・でも、たくさん試合を見たり、本を読んだりしてわたしも研究します。
雑誌『剣道日本』や『剣道時代』などにもヒントがたくさんありますので、ぜひご覧になってください。
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まとめ
以上、読むだけで強くなる!②「自分から打て」の本当の意味とは?でした。
やはりここでも、保護者がキーパーソンになっています。
こどもは、保護者の言葉であれば、ダイレクトにその背景まで理解でき、砂に水が染み込むように吸収していきます。
指導者の先生方が言われている言葉の意味をよく理解し、より深いところまで掴む努力を保護者がして、こどもに伝えてあげてください
そうすることで、こどもはより深く理合いを理解して、戦績をアップさせることができます。
皆さんに少しでも楽しんでもらえるよう、ほぼ毎日記事を更新しています。
イラストは無料画像オンリーたまに自作です!

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