剣道の左足は「蹴る」のではなく踵を踏め!~『五輪書』から


みなさんこんにちは!剣道愛好家ごまちゃんです。
主に小学生の保護者の皆さんに向けて、「試合で勝つ」「強くなる」ことを話題に挙げています。
今回は、強くなるシリーズの足さばきの応用編です。左足を蹴って遠くに飛べ、左足の引きつけを素早く、と言われることは多いと思いますが、具体的にどのようにすればよいかを解説します。

イケメン剣士JHOです。
実は、宮本武蔵が有名な「五輪書」で、「前に出るには左足の踵を踏め」と書いていますね。「蹴って前に出ろ」とは書いてありません・・・

そういえばそうですね・・・まさか武蔵さんが間違えるはずもなく・・・

アイドル剣士こはるです。前に出るとき左足が大切なのはわかりますが、それはどういう仕組みでそうなっているのでしょう。蹴ってはダメなんですか!?

ズバリ、蹴るのは間違いです。「踵を踏め」が正しいのです。以下に詳しく述べます。

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結論から言うと、素早く前に出る動作は「蹴り」からは生まれません。

剣道における「前に出る動作」は、スキーやスケートと同じく「体重移動」から生まれるものです。

蹴る、という動作は、高い放物線を描いて飛ぶには適していますが、直線的に前に出るには向いていません。

これはスケートやスキーをする人にはおわかりのことと思います。

スケートで前に進むには、「蹴り」で進むと引っかかって進めません。まさに「踵を踏む」体重移動で、体が自然に前に倒れ、前にすんなりと進むことができます。

スキーも同じです。スキーを滑るときはもちろん傾斜も必要ですが、体を前に倒して板に乗る体重移動によってスピードを増すことができます。

試しに、立って、踵を強く踏んでみてください。重心が自然に前に移り、体が前に倒れます。

ちなみに、つま先で蹴るしぐさをすると、重心は移らず、却って前に出るのにブレーキがかかります。

「蹴る」という動作は前に出るというよりも、「上に飛ぶ」もしくは「放物線を描いて遠くに飛ぶ」という動作です。

剣道では、高く飛ぶ必要も、放物線を描く必要もありません。

直線的に、素早く、すっと前に出ることでお相手を制することができます。

そこで必要なのは、「踵を踏」んで、重心移動することによって前に進む動作です。

前に進むというより、体を前に倒す(あくまでイメージですが)です。

ちなみに、体を前に倒すとそのまま倒れ込んでしまうので、超一流選手でも多少なりとも「顎を上げて」重心を保って一本を奪います。

例えば、ネットにある平成の剣豪のキャプチャです。(手前が宮崎先生)

上に飛んでいません。重心が前に移っているためやや前傾姿勢で顎で姿勢を調整しています。

もっと体を使った高校生の試合になると

打ち終わった直後の姿勢ですが、左足で蹴って飛んでいるのではなく、重心が前に行ったので自然に左足が床から離れている感じです。

もし蹴って飛んでいるなら、左足がもっと床から離れているはずですし、体も前に倒れず垂直のままのはずです。

やってみるとわかるのですが、「蹴る」という動作は一瞬激しいブレーキがかかる動作です。素早く前に出るのにブレーキをかけるのは矛盾した動作になってしまいます。

そういえば、フィギアスケートでも、ジャンプの前の一瞬は前に進むのを辞めてブレーキをかけて、上に飛び上がっていますね。

「蹴る」ということを意識するとブレーキがかかり、上に飛んでしまってその分ロスしてしまいます。剣道は0コンマ何秒で勝負が決まるため、上に飛んでいる暇はありません。

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剣道の足さばきに「緊張」は必要ない

いろんなスポーツや武道で、筋肉の収縮と緊張が必要とされています。

陸上競技で「飛ぶ」項目は、蹴りや収縮という筋肉の躍動が必要ですし、フィギアや体操などの見せる競技も如何に筋肉を美しく収縮させるかにかかっています。

一方で剣道は、「筋肉の収縮」という要素があまり必要とされません。

どちらかというと、「力をいかに上手に抜くか」が課題となり、肩にがちがちに力が入った動作では竹刀操作が重くなってしまって勝負に非常に不利になります。

イメージとしては、体の中心から発生する力がいつも竹刀の先から抜けていく感覚で、収縮よりも全身の連動が必要になってきます。

 

たとえば、

・蹴って進むよりも体重移動で自然に前に出る

・力を入れて打つよりも力を抜いて遠心力を使うことで竹刀をしならせ打突に冴えを生む

・移動する際も筋肉を収縮させるより流れるような足さばきで流動性を保持する

ことが大切であり、常に「一か所に力を凝縮させず常に竹刀の先に力が流れていくように全身を連動させる」、という意識が上達のカギです。

宮本武蔵が「五輪書」で書いているのは、そういう機微なんではないかな、と管理人は考えています。

以下が武蔵の「五輪書」の足さばきの引用です。

足のはこびやうの事、爪先を少しうけてきびすを強くふむべし。足づかいは、ことによりて大小遅速はありとも常にあゆむが如し。足に飛足、浮足、ふみすゆる足とて、是三つ、嫌ふ足なり。此道の大事にいはく、陰陽の足と云ふことあり。是れ肝要なり。陰陽の足とは、片足ばかり動かさぬ物なり。きる時、引時、受る時までも、陰陽とて右左ゝゝとふむ足なり。返すゞゝ、片足ふむことあるべからず。能々吟味すべきものなり

下線を引いてある部分は、管理人が勝手に武蔵の「五輪書」から「流動性を説いた部分」と解釈しているところです。

つま先を浮かせて踵を強く踏んで重心移動によって前に出ろ

片方の足ばかりに注意を向けず、陰陽(つまり左右のバランス)を保ちながら移動し、流動性を保て

今風に言うとこんな感じになるのではないでしょうか。

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上善如水~上善水ノ如シ

中国の思想家である老子の言葉です。

人間の生き方は水が流れるように自然に流れ、低いところに集まっていくのがよい

という、平和で自然の摂理を重んじる考え方です。

日本酒のブランドでもあるこの言葉は、剣道の足さばきにも通じるものがある、と感じています。

淀みなく足が動き、力を一か所に溜めず、常に緩やかに「気」が四方八方に動いて竹刀の先から抜けていく剣道、それが、力みのない美しい剣道ではないでしょうか。

キレイな一本には、物理的に美しい「気の通い道」があります。

一本を奪うさい、まったく無理が無く、スカンっと気持ちよく力が竹刀に伝わって打突後に抜けている爽快感、それを見るとついつい思い出すのが

上善水の如し

という老子の言葉です。

水が流れるように気が体を伝わり、全身を連動させて竹刀の先に届いて砕け散る、まさに水が流れるような一本がそこに生まれます。

※さる大会の「小学二年生以下の部」の二回戦です。

白タスキのこどもの試合運び、一本の生まれ方に注目してください。

熊本杯二回戦

まとまり、リズム感、無理のなさ、水が低きに流れるように一本が生まれています。

足さばきや試合運び、合気、お相手とのやり取りによって生まれる「気の放出」、何となく、上善水の如し、という単語がしっくりくる気がします。

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剣道少年にとって保護者の影響はともかく大きいので、心して接しましょう。

まとめ

・剣道の足さばきは「左足を蹴る」のではなく、「踵を踏むような」重心移動によって前に進む。これはスキーやスケートと同じ。

・「蹴る」という動作は筋肉の緊張を生むが、剣道には「緊張」は必要ない場合が多い。武蔵の五輪書にも「力を片足に溜めず、両足にバランスを持っつ」ことを説いています。

・「上善水の如し」は古代中国の思想家・老子の言葉。もっともよいのは水が低きに流れるような自然な動き、という点では、剣道も同じです。力まず足をよどみなく動かし、気を通わせつつ全身を連動させている打突から一本は生まれやすい。

無理のないよどみない動きは、「左足の蹴り」からは生まれず、全身を連動させて無理ない竹刀の先に力を送ることから生まれます。

力むよりも力を抜く、ということを心がけることで、新しい段階に進めるかも知れません。

 

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