剣道少年がかかる「打たれたくない病」で実際に打たれまくるメカニズムを解説

January 9, 2020

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こどもの剣道が強くなる保護者の特徴

こんにちは!剣道愛好家ごまちゃんです。今回は、こどもが剣道を習って三年目ぐらいに例外なくかかる病「打たれたくない病」についての記事です。

これ!まず例外なくかかりますね、打たれたくない病!変に守ったり、前に出られなくなったり、モタモタしていると入って来られてばっこーんとやられるという・・・

どうして「打たれたくない」と思うと打たれてしまうのでしょうか?
剣道以外にも、
・ダイエット中で食べてはいけないと思えば思うほど食べてしまう
・無駄遣いすまいと思えば思うほど浪費してしまう
・部屋が散らかってしまえばしまうほど、掃除するのが億劫になって後回しになってしまう

ていうのも、結局原因は同じです。
その原因とは!?

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日本一を目指すというこどもはこんな子供でした

「打たれたくない」と思ったら打たれる心理

いきなり結論です。

わたしたちが意識できる範囲以外で、圧倒的にわたしたちに影響を及ぼし続ける「潜在意識」の仕組みを少し知ると、単純な摂理になります。

ものすごく簡単に説明すると、潜在意識には「~してはいけない」「~したくない」「○○すまい

というような「否定語」がありません。つまり。

打たれたくない≒打ってください

食べてはいけない≒もっと食べなさい

無駄遣いしたくない≒ジャンジャン無駄遣いしなさい

と同じ意味に捉えられ、否定語を抜いた肯定語としてアウトプットしようとしてしまう、ということです。

特に剣道の試合のような、勝つか負けるかの厳しい勝負の場において、「打たれたくない」と強烈に思ってしまうと、どんどんお相手の打突を呼び込んでしまいます。

打たれたくない!「負けたくない」と願うのは、打たれたい、負けたいと願っているのと同じ、ということです。

でも、ついついそう願ってしまいますよね・・・

では、どういう気持ちで試合に臨めばいいかというと、

自分が持っているものすべてを出し切る!

これしかないです。むしろ、これ以外に何を思って試合に挑んでも、剣道に必要な「不動心」を妨げてしまいます。

「勝ち負け」は人間がコントロールできるものではありません

これは身も蓋もない言い方ですが、勝ち負けを人間の力でコントロールすることはできません。

では勝負は何によって決まるのか、というと「剣道」という歴史の重みがある人知を超えたものによって判断されます。一人間が精神力を発揮して左右できるような軽いものではありません。

よく、メンタルが強い、何が何でもという精神力、とやたら精神論でこどもを鼓舞させようとする人がいますが、真の実力より精神力が上回ることは絶対にないです。

※「勝つ」ことが精神力で為されるなら、厳しい稽古は要らないし剣道そのものが超能力合戦になってしまいます。

勝負の場で、際どいところで差が着くような場合は、結局、

普段の実力をどれだけ出し切ることができるか

という、ごく合理的な、「平常心」「不動心」から生まれるものです。

普通に考えて、「打たれたくない」と思っていたとしても、上手で強いこどもには打たれます。

同じく、勝ちたい、と思ったところで、勝てるとは限らないのは、みんなが知っていることです。

打たれたくない、と思ったところで打たれてしまうこともものすごく当たり前ですが、ついつい、「勝負」を前に心が縮こまってしまう・・・特に、少し剣道に馴染んできた三年目ぐらいの剣士は、この「打たれたくない病」にとりつかれて戦績が低迷してしまいます。

この時期にちょうど、「五年生」になって、ただでさえ壁にぶつかりやすい時期なのに余計苦しんでいる剣士を、管理人はたくさん見てきました。

ちょうど剣道が少しわかってきたころに、「打たれたくない」「負けたくない」という病にかかってしまい、自分から試合を作れない+お相手の打突を呼び込むというダブルパンチで戦績が落ちる、という感じです。本来ならもっと強くなれるのに、試合で負けて自信を無くしてしまい、また低迷するという無限ループ。

打たれたくない、負けたくない、という気持ちは、実は「打たれたい」「負けたい」と願っているのと同じ、というのは衝撃的・・・

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では、「打ちたい!」「勝ちたい!」と思うのはどうなの?

逆に、「打ちたい」「勝ちたい」と強く願うのはどうでしょうか?

これも実は、潜在意識として捉え方があいまいになり、気持ちが濁ってしまいます。

なぜなら、潜在意識には「わたし」「あなた」という主語がまったくなく、「打つ」のがわたしなのかあなたなのか、区別できないからです。

※「人を呪わば穴二つ」という言葉がありますが、人を呪うことは自分自身を呪うことと同じ、ということです。昔の人々は、潜在意識の働きについて、ユングやフロイト以前によく知っていたらしい。

打ちたい、勝ちたい、と願うことも邪念です。試合には流れがあり、流れが一本を生み出すのであって、人が一方的に打ったとしてもそれは「一本」にはなりません。

試しに、実力が互角同士の剣士が試合をして、片方が「打ちたい」と願って打ちまくっている場面を想像してみてください。

打ちたいと思ったところで相手は打たせてくれません。

「打ちたい」「勝ちたい」と願うことも、試合ではほぼ無意味です。

無意味どころか、流れをせき止め、思いもよらないアクシデントを呼び込む力みに繋がってしまいます。

では、どういう心がけがベストでしょう?

少し抽象的になりますが・・・

試合会場を水面と捉え、お相手も自分も小さな小舟に乗っている→

そこに自分の動きや攻めで波風を立てる→

波風が大きくなって、向かい風になったり、追い風になったりして船が揺れ始める→

追い風になり、お相手の船が揺れてお相手がバランスを崩した瞬間、船に飛び移って仕留める

こういう感じで、「打ちたい」という気持ちを押さえつつ流れを全身で感じ取り、お相手の船が揺れた瞬間にすぐに飛び込めるように準備をし、スキが見えた瞬間飛び込む、という感じです。

このような流れを呼び込める子供を「強い」と言うのであり、「強い」こどもは「打ちたい!」とは思っていません。

打つべき瞬間を逃さず打つ

ことしか考えていないことが大半です。

水面を揺らし、船を揺らしてお相手を不安定にさせる、この過程を作れるこどもが「強い」こどもです。
チャンスが来たら全力で飛び込む準備もしつつ、波を起こし船を揺らし続けるのが「試合上手」です。
最初から「打ちたい」「勝ちたい」と全速力で突っ込むのとは違います。

よく、「自分から」という掛け声や「前へ出ろ」という掛け声があるのは、「波を作ってお相手の船を揺らせ」という意味であり、「闇雲に打ちに行け」というのとは違います。
ただ、この辺を言葉で説明するのは非常に難しいのでついつい、「前へ出ろ」と言ってこどもが素直に突っ込んであっさりやられてしまう、というシーンをよく見かけます。

▼「前へ出ろ」「自分から打て」という言葉の意味の捉え方

剣道の試合で「自分から打て」の意味とは

まとめ

打たれたくない、は打たれたい、と同じ意味

こういうことをきちんと論理的に表現しようと思うと、なかなか難しいです。

こどもが剣道を始めた初期に、当時インターハイに行った息子さんを持たれるかたが言われていたのですが、最初はその意味が今一つわかりませんでした。

試合経験を積むにつれ、だんだんと、「こういうことを言われたかったんだな」ということがわかってきたのです。

試合の緊迫したシーンなどでは特に、「打ちたい」と思っていると思わぬスキを作ってしまい却って打たれてしまうシーンもたくさん見ましたし、「波を作って船を揺らす」のが上手なこどもは、「打ちたい」と各段思っているわけでもなく、ただ冷静に「打つべき機会」を逃さないだけなんだ、というのもわかってきました。

少年剣士たちは、大人の言葉をそのまま真に受けて稽古をしています。

指導者のかたや保護者のかたが、「もっと打っていけ」「打たれないようにしろ」という言葉の奥にあるものをできるだけわかりやすく、こどもに伝えやすい言葉にするにはどうしたらいいか、これからも考えていきたいと思います。

皆さんに少しでも楽しんでもらえるよう、ほぼ毎日記事を更新しています。
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